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保育士に聞く「子どもの『興味』の継続ってどう判断したらいい?」

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弊社で開催したMITメディアラボの石井教授のセミナーを保育の現場で活かすには? ということで、当日ご参加いただいた3名の保育士さんにセミナーの感想と現場での活かし方のインタビュー後編。
造山力のお話から離れ「子どもの『興味』の継続ってどう判断したらいい?」をテーマにお話を伺ってみました。

>>前編「MITメディアラボ石井教授の『造山力』を「保育」に活かすには?」はこちら


(登場人物)
Kさん(男性):保育園園長
Tさん(男性):保育園主任
Hさん(女性):保育士
植竹:インタビュアー(コソダテリノベ)

子どもの『興味』の継続ってどう判断したらいい?

植竹:
石井教授のセミナーでのお話を保育に活かす際、やっぱり子どもの興味を大切にして出発するというのは共通しているところですね。
一方でその「興味」を継続する、あるいはやめどきの見極めが難しいと思うのですが、そのあたりってどう判断されているのでしょうか?

Kさん:
まず「継続」という観点で言うと、元々子どもは満足するまでやめないすごい継続力があって、むしろ大人はそれにきちんと付き合わないといけないのと、興味を持ったものへの瞬発力もすごいから、それに対応する瞬発力も大切だと思います。

植竹:
たしかに気づいた瞬間には次の興味へ、とか、まったく予想もしない発想のジャンプがあったりしますもんね。

Kさん:
そう。子どもに瞬発力があるからこそ、大人も瞬発力が必要で。子どもにそれがないんだったら必要ないというか、子どもが興味を持ってから始めるまでに半年かかる、とかなら大人も半年かけて準備すればいいけど、そういうわけにもいかない。

植竹:
これ面白そうだけどどうしようかなーとか言ってる子ども見ないですもんね。電車かっこいいけど今は車に興味あるから夏くらいから電車に移ろう、なんて子ちょっと嫌かもしれないです。

Kさん:
それを見たときにこちらがその活動や興味を広げる準備をしていないと、せっかくの興味が去ってしまう。

植竹:
一方で、飽きてしまうというか、もうすこし続けたら突破口が見えたかもしれないようなこともあるじゃないですか。その辺の塩梅がすごく難しいなと思うんですが、継続することを強要するのも違うと理解しつつ、その辺の継続の判断ってどういう風にされるんでしょうか?

Kさん:
たぶん2人と感覚が違いそうな気がするんですけど、どう?

Hさん:
興味を持ったものに対して導くような関わり方は避けたいと思っていて、当然準備や下調べはするんですが、活動そのものは子どもと一緒に感じたり驚いたりして、やっていきたいと思っているので、その空気感。

植竹:
保育士としての視点と、子どもの視点でっていうイメージですか?

Hさん:
そうですね。一緒に活動していると、ふとした瞬間に面白い言葉とかが出てくるので、そこからどんどん広げていって興味を伸ばしていけたら継続につながるかなって。

Tさん:
自分の場合は一回引っ張った興味の糸をいかに切らないようにするかというところがあって。大人が入りすぎてもダメなときがあったり、入らなすぎても広がりが出なくてつまらなくなってしまったり。ちょっと途絶えそうなときにこうやったら面白そうって声をかけたり、広がりそうなときには一歩引いたり、糸を引っ張ったり、緩めたりは意識してます。
グダる前に兆候が出たりはするので、その前に盛り上げたり、きっかけ作りをするイメージです。

植竹:
Kさん違いましたか?

Kさん:
さっきの話でプツンと切れちゃうとか、広がるとか、そういうのはあまり意識しないようにしてます。
事柄が変わってもいいから、その子がなにを見ていて、その興味を持っているものを提供し続けていくことが自分にとっての「継続する」ということの意味合いで。

植竹:
ひとつのテーマ、という一貫性みたいなことではなく、興味の移り変わりを捉えて保育者が環境を提供し続けていくことが大事っていうことですね。

Kさん:
そう、たとえば「植物の種」についての活動をしていて、そこから「花」「虫」と移ったときに見落として途絶えさせるというのは避けないと。

植竹:
大人の役割として、興味のそのものにアプローチするということよりも、興味の移り変わりや変化を見落とさず、捉え続けて、必要な環境や準備を想定することが大事なのかもしれないですね。
とても大事な視点をいただいた気がします。ありがとうございました。


Photos by Yoshimi Murakami

コラムニストプロフィール

植竹 康之

植竹 康之

東京都練馬区出身です。大学でアイデンティティー形成を学び、1年間デンマークへ留学。障がい者ヘルパーとして働きながら、学童保育でも活動していました。卒業後は広告制作会社に入社。結婚を機に住居探しをする中で、ライフプランや子育てのための環境を考えた家探しの重要性を感じ、コソダテリノベに参画しました。
10年、20年、その先と、自らも家族の一員として生活していくイメージを持って家探しのサポートをしていきます。

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