Column コラム

開催しよう!「家族でリノベーション会議」

リフォームリノベーション

リノベーションして家が欲しい!そう決めてはみたものの、

何から着手したらいいかわからない……そんな人が多いようです。

最初のステップは、物件探しでも工務店探しでも金策でもなく、

まずは、「どんな暮らしが希望なのか」を家族ですりあわせておくこと。

ここがしっかりしていないと、後々大変なことに……!?

今回は、リノベーション前の家族会議のポイントを、専門家と確認してみましょう。

 

 

リノベーションに向けて、それぞれの希望を整理しよう

 

こんにちは!

マイホーム検討中のライター、SHIHOです。

これまで、家づくりにまつわるさまざまな案件を取り上げてきましたが、今回は、リノベーションの「ステップ1」に立ち返ってみたいと思います。

いまのエリアから離れず、夫の都内通勤が楽にできるように……そう考えながら検討していった結果、わが家は、「都内で中古マンションをリノベーションする」というプランに落ち着きつつあります。

その上で、本格的なリノベーションに向けたプランにおける、初動の大切さについて、コソダテリノベの小野雅司さんに伺いました。

 

SHIHO:小野さん、リノベーションでマイホームをつくると決めてから、施工までの流れについて、簡単におさらいさせてください。

小野:はい。ざっと、こんな流れです。

①家族の家づくりの希望を整理する

②マネープランを練り、算段をつけておく

③希望のエリアを絞り込み、物件を探す

④リノベーションの施工会社を決める(③と前後する場合もある)

⑤リノベーションのプランを決める

⑥契約し、工事を行う

SHIHO:この、「①家族の家づくりの希望を整理する」というファーストステップがとても大事だとか。

小野:そうなんですよ。ここが基本のキなんですが、意外と、おろそかにされてしまっていることが多くて、驚くことがあるんですが。

SHIHO:どういうことですか?

小野:リノベーションをすると決めて、ご夫婦で相談に来られた際に、目の前で喧嘩が始まったりするんですよね(笑)。その場でお互いの要望希望を話すことになるんですが、矛盾が出たり、合わなかったり、どちらかが妥協を強いられることになったりして、大いに揉めることがあります。

SHIHO:あらぁ。

小野:でもね、打ち合わせ段階で揉めている場合は、まだマシなんですよ。施工が終わってから、「こんなはずじゃなかった」とご夫婦で揉めはじめて、飛び火して施工会社と揉めたりするケースもあります。もちろん、そんなことがないように、ヒアリングはきっちりするんですが、家族間での微妙なズレについては、どうしようもないところがあって。

SHIHO:ドキッ! わが家も大いにあり得ます。

小野:今回ご提案したいのは、家族の家づくりの希望を整理する、その方法です。題して、「家族でリノベーション会議」。家族で、どんな家にしたいのか、真剣に話し合い、きちんと希望を整理しておくやり方です。これを、SHIHOさんのご家庭をリアルなモデルケースとして開催しましょう。家づくりに、必ず役に立ちますから。僕が、立会人になります。

SHIHO:ということは、夫も一緒に話すということですか?

小野:はい。当日までに、ご家族それぞれの希望を箇条書きにした用紙を用意しておいてください。はじめから「こんなのは無理かな」という限界は決めずに、思いつくままに、希望を書いて大丈夫ですよ。

SHIHO:わかりました……。小野さんの目の前で大喧嘩にならなければいいけど!

 

家族の希望をリストアップしてみよう

と、いうことで、後日、夫にも参加してもらい、わが家も「家族でリノベーション会議」を開催することになりました。

小野さんにアドバイスをしていただきつつ、進行した、ライターSHIHOのリアルな家族会議の模様をお届けします。

ぜひ参考にしてみてください(苦笑)。

 

小野:では、SHIHOさんのご家庭の、「家族でリノベ会議」を開催させていただきます。ご主人のNさん、初めまして。よろしくお願いいたします。

N(SHIHOの夫)&SHIHO:よろしくお願いします!

小野:お願いしておいた、希望を箇条書きした用紙を見せてください。

 

<N家のマイホーム希望シート>

2LDK〜3LDK、60㎡前後を希望。

 

パパ(N、36歳)

・広いリビングが欲しい

・趣味のための書斎が欲しい

・トイレは広くしたい

・風呂にテレビ

・マッサージチェアが置きたい

・広いベッド

 

ママ(SHIHO、34歳)

・カウンターが大きめの使いやすい対面キッチン

・たくさんストックできるパントリー

・玄関を広く、大きな鏡も置きたい

・洋服がたくさん入るWIC(ウォークインクローゼット)

・あらゆるところに収納が欲しい(隠したい)

・L字型のソファが置ける広いリビング

・将来子ども部屋にできる可変性のある造り

・家事動線の良さを極めたい

・浴室乾燥

・グリーンがたくさん置けて、それが映えるような空間

 

長男(5歳)

・弟とフリスビーができるくらい広い部屋

・おもちゃがたくさんある部屋

・家族みんなで寝たい

 

小野:なるほど、よくわかりました。

SHIHO:この、主人の、書斎が欲しいとか、広いトイレとか……。都内で小さいマンションをリノベーションするって考えたときに、こんな希望ってやっぱり難しいですよね?

N:いや、まあ、とりあえず希望を全部って言うからさ。広さの限界考えてたらさ、広いWICとかも無理なんじゃない?

SHIHO:WICは絶対必要だから、書いてるの。書斎は絶対必要ってわけじゃないじゃない。

小野:まあ、まあ。希望は、自由ですから。

N:希望だけど、ここから、削除していくってことですよね?

小野:削除していくという発想は、ちょっと違いますね。どうにか折り合いをつけて、なんとか希望をかなえていきたいという、前向きな会議にしたいんですよ。まずは、このすべての希望から、絶対に譲りたくないものを決めて、そこから優先順位を3つまで決めていきましょう。本日不在の長男クンの希望は、ちょうど3つですから、このままということで(笑)。

SHIHO:うーん、難しい。でも、やってみましょう!

 

<N家の優先順位>

  N        SHIHO

①広いリビング   ①カウンターの広い対面式キッチン

②広いトイレ    ②広いリビング

③書斎       ③広いWIC

 

小野:NさんもSHIHOさんも、「広いリビング」というところは上位で、共通していますよね。これは採用ですね。LDKという捉え方をして、SHIHOさんのカウンターの広い対面式キッチンというのも、条件に入れましょう。それから、Nさんの広いトイレ、③である書斎とWIC。これらが、どこまで反映できるか、ということになると思います。

SHIHO:たぶんなんですけど、私たちの稼ぎで、都内でもなんとか安いマンションを探したとしても、60㎡が現実的なのかな、と思ってるんですね。いろいろ見てきて。

N:そうなんですよね。どうしても僕が、通勤にあまり時間をとられたくないということもあって、郊外を考えていないもので。

SHIHO:そうすると、書斎なんて、絶対無理じゃないですか。陣取り合戦じゃないけど、必要なWICとか収納にスペースを充てたほうが、絶対にいいと思うんですよ。

N:そんなに広い収納が必要って思うほど、モノが整理できない方がおかしいんじゃないかな? そもそも、洋服は増える一方って思う方がおかしいじゃない?

SHIHO:何言ってるの? モノが多いのはお互い様じゃない? 靴なんて、あなたの方が多いのよ。

小野:まあ、まあ。ちょっと待ってください。Nさん。書斎は、どうしても個室じゃないといけませんか?

N:え? あ、うーん、どうしても、じゃないです。書斎コーナーでも、まあ、いいです。

小野:でしたら、Nさんの趣味のものを整理できるクローゼットのスペースを用意して、書斎スペースは、家族の共用デスクにするというのはどうですか? ご家族の優先要望のなかに、「子ども部屋」はありません。ということは、基本的にはリビング学習をプランされていると思うのですが、Nさんの趣味やパソコンも、リビングの一部でする、という考え方にしたらどうかと。そうすれば、広いリビングを保つこともできます。

N:なるほど。

小野:それから、SHIHOさん。どうしても広いWICが必要ですか?

SHIHO:私は、正直言って、片付けが苦手なので……できれば、広いクローゼットが欲しいです。

小野:WICは、人がウォークインできる分、余白が必要なクローゼットです。モノが多いからといって、限られたスペースにオススメできる収納とは、実は言えないんですね。広ければ広い家にこそ向いている収納なんですよ。

SHIHO:あら……そうなんですか。

小野:ただし、この優先からもれている「将来子ども部屋になる可変性のある造り」というものを考えたとき、WICのような、納戸のようなスペースを想定しておくことは、ありだと思います。モノを増やすための収納スペースではなく、将来的に別の用途になり得るスペースをつくっておくということです。

SHIHO:はあ。

小野:片付けが苦手な方というのは、基本的に、無駄なモノを溜め込む傾向があります。リノベーションで新しい家をつくるタイミングで、不要なものはごっそり整理してしまいましょう。引っ越して、収納に工夫をしたら、片付けが得意になったという人を、僕は何人も見て来ましたよ。

SHIHO:ホントですか?

小野:この、Nさんの「広いトイレ」という希望も、トイレを収納スペースと兼ねて考えれば、ご夫婦の希望が両方かなうことになります。

N:私は、ちょっと閉所恐怖症なところがあるもので。トイレは広いと助かります。

小野:でしたら、なおのこと、限られたスペースを仕切って書斎は不要ですね(笑)。

N:ホントだ(笑)。

小野:SHIHOさんが欲しがっている収納スペースも、適材適所に収めるモノを想定しながら細々とちりばめてつくっていくこともできますよ。広いパントリーは難しいかもしれないですが、キッチンに必要なものだけきちんと入れられるパントリーコーナーは十分つくることができると思います。

SHIHO:わあ、嬉しいです。

小野:息子さんの希望も、みなさんのその他の希望も、ほぼ、組み入れてリノベーションプランをつくることは、できると思いますね。玄関を広くして、大きな鏡。たとえば玄関を土間にして、収納スペースをつくり、靴箱の扉を鏡の引き戸にするとか、まあ、いろいろ考えられます。ベッドは広い方がいい、ということですが、寝室は家族で分けたいですか?

N:いいえ、家族みんなで大丈夫です。4人で眠れる余裕のある寝室が希望です。

小野:なるほど。寝るスペースを広く、ということであって、ベッドルーム自体が広くなくてもよいのですね。でしたら、スペースが他に回せます。

 

家族の希望を整理して、家の希望シートをつくろう

小野:間取りの参考になる、N家の希望は、だいたいわかりました。あとは、「暮らしのテーマ」や、「好きなインテリアの雰囲気」をすりあわせていきましょう。まずは、どんな暮らしが理想ですか? 抽象的でもよいですよ。

N:そうですね~、子どもと毎日楽しく過ごす暮らし。明るい暮らし。

SHIHO:すっきりと片付いていて、心地よく暮らせる、シンプルな暮らし……かな。

小野:なるほど。では、明るくて、すっきりしたインテリアがご夫婦の共通の希望という感じですか?

SHIHO:はい、明るくて、すっきり。いいですね。

N:うーん、僕は、正直、なんでもいいです(笑)。暗いのは、確かにいやだけど。子どもが居ても違和感のない明るさがいいかな、って。すごくシャープで、大人っぽい感じはちょっと苦手です。

小野:家の中全体の色調はどうですか? 明るい白っぽ感じ? もう少し落ち着いた感じ?

SHIHO:子どもがいて、汚れが目立つのが嫌なので、真っ白というよりも、もうワントーン落ち着いた感じがいいです。

小野:スタイリッシュな感じですか? ナチュラルな感じ? それともポップ?

SHIHO:ナチュラルなイメージ、かな。床も木目がいいし。

N:ちょっとポップでもいいかも。子どもが喜ぶ家がいいな。

SHIHO:シンプルでナチュラルでポップでちょっと落ち着いた……って難しいですね(笑)。一部が明るい柄の壁紙でもいいかなあ。

小野:最終的なインテリアは、ご家庭によって完成されるものですから、大丈夫ですよ。大枠と目指すところが建築会社に伝わることが目的ですから。

<その後、まとまったN家の希望シート>

◯暮らしのテーマ「子どもたちと賑やかに過ごせる、シンプルで明るい家」

◯インテリアのテーマ「ナチュラルでポップ」

◯壁の色:ベージュ、グレーなど、真っ白ではないが、落ち着いた白系。一部に明るい柄の壁紙など。

◯床:リビングは無垢材のナチュラルなものを希望。

 

◯間取りの希望

広めのLDKに…

カウンターの広い対面式キッチン。※アイランドキッチンも可能なら…

子どもと大人が共用できる書斎コーナーを用意

子どもと夫のおもちゃ、趣味のものを整理できるクローゼット

 

◯その他の希望

収納スペースは、適材適所に工夫してできればたくさんほしい

パントリースペースは小さくてもいいからほしい

トイレは収納も兼ねて広くしたい

寝室は家族全員で一つ

子ども部屋になる可変性のある収納スペースをつくってほしい

玄関は広めの土間で、大きな鏡が欲しい

家事動線を考えて、ランドリースペースを工夫してほしい

 

希望シートは家族で相談しつつアップデートを

SHIHO:家族でリノベ会議をして、希望シートをまとめてみたら、なんだか新しい家がおぼろげに見えてきた気がします!

小野:こうした希望シートを用意して建築会社へ打ち合わせへ行けば、担当者にもしっかりと気持ちが伝わり、よりよいプランを提案してくれやすくなるんですよ。

SHIHO:なるほど~!

小野:あとは、好みのインテリアが載っている雑誌の切り抜きやWEBから拾った写真があればどんどん添付していくとより良いですね。家族で会議を重ねるうちに、希望も変わってきたりしますから、その都度シートはアップデートして。

SHIHO:夫とも、家づくりの話がしっかりできたおかげで、関係が良好になった気がします。彼もすごく前向きに考えてくれるようになったんですよ!

小野:家族のためのリノベーションですからね。つくる前から喧嘩していたら、時間がもったいない(笑)。家づくりのステップ①は、無事に終了しました。絶対にいい家をつくることができると思いますよ。

SHIHO:ありがとうございましたー!!

コラムニストプロフィール

SHIHO

SHIHO

愛知県出身、34歳。おいしいものとインテリアが大好き。5歳と3歳の息子を育てながら、ママライターとして活躍中。夫は36歳、都内の某メーカーに勤務。現在は神奈川県某市で3LDKの賃貸マンションに居住。上の子どもが小学生になる前に、どこかに(できれば都内に)家を買いたいと考え、絶賛リサーチ中!

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