Column コラム

リノベーションでリビング学習しやすい部屋にチェンジ! リビング学習のメリット&デメリットを徹底研究<前編>

リビング学習リノベーション

成績のいい子はみんな「リビング学習」ってホント!?

メリットいっぱいのリビング学習にも、落とし穴がある……!?

地頭のいい子を育てるためには、どんな家づくりをしたらいいのでしょうか。

子育てに最適なリノベーションの方法を、専門家に伺いました。

今回は前編・後編にわけ、

<前編>では、リビング学習のメリット・デメリットについて、

<後編>で具体的な子育てに最適なリノベーションについてご紹介します。

リノベーションで、「成績が良くなる部屋づくり」はできる?

 

未就学の男児2人を育てている、ママライターのSHIHOです。

マイホームに中古マンションのリノベーションを考えているのですが、子育て世代がマイホームに求める大きな条件のひとつに、

「子どもがスクスク育つ環境づくり」があります。

子どもが毎日のびのびと過ごせて、広々と遊ぶことができ、家族との時間を大切にしながら、かつ、自然と学習習慣も身に付くような家。ついでに、成績もグングン伸びちゃうような仕掛けがあったら……。

……欲張りなようですが、そんな家づくりも、リノベーションなら可能だというのです。ホントでしょうか?

子育て世代必見!子どもを伸ばすリノベーションのコツについて、今回も、コソダテリノベの小野雅司さんにお話を伺います!

 

どんな子に育ってほしい? 親が子に望む姿とは

 

SHIHO:小野さんは、京大で建築デザインを学ばれたとか。京大ってスゴイ! どんなお子さんだったんですか?

小野:よくご存知で(笑)。僕は大阪出身なんですけど、実家はかなり田舎なんですよ。子どもの頃は野山を駆け回っていました。どんな子どもだったかは、うーん、自分ではよくわかりませんけど(笑)、親は放任主義だったと思います。

SHIHO:「勉強せい!」とは言われなかった?

小野:ほとんど言われなかったですね。

SHIHO:はあ・・・、やっぱり、地頭がいいんだなあ〜。

小野:ゲームも、したい放題でした。遊びは、インドアも、アウトドアも、どちらも好きでしたね。

SHIHO:気が早い私は、「子どもの頭を良くする」とか「才能を伸ばす」とかいうワードに弱くて、そういう本があるとすぐ手を出してしまいます(笑)。これからつくるマイホームも、子どもの教育を見据えて計画したいと考えているんです。

小野:SHIHOさんは、お子さんには将来どんな人間に育ってほしいと思っていますか?

SHIHO:そうですね、自分の好きなことを見つけて、自立できる人間、かなあ。

小野:コソダテリノベの事業ビジョンは、「子どもの未来を育む場の創出」です。以前、10組の家族と教育、建築の専門家総勢40人でワークショップを行ったことがあるんですが、そこで出た声をまとめた結果、子どもに望む姿は、「自分の意思でやりたいことを見つけ、没頭し、そのことを周囲に共感してもらえる子」というものでした。まさに、SHIHOさんがおっしゃっている理想像と重なりませんか。

SHIHO:はい!まさしく、そうです。

小野:では、逆に、こんな風になってほしくないな…というキーワードは、こうなりますよね。「自分で何も決められない」「飽きっぽい」「依存する」。わが子をそんな風に育てたくはないですよね。

SHIHO:ドキッ。自分もちょっとそういうところはありますが、はい、そうです、そんな子にはなってほしくないなあ。

 

田舎じゃなくても、のびのび育てることはできる

SHIHO :育児書とか、教育の本をいろいろ読むんですけど、だいたい、自然体験が大切って書いてある。土に触れるとか、植物や虫を観察するといいとか。だから、家も、田舎にある広い一軒家とかがいいのかな、なんて考えてしまうんですけど、夫の通勤や、これまでつくってきたコミュニティを考えると、どうしても都内にいたいんです。

小野:自然体験はもちろん大切だと思いますよ。だけど、家が自然のなかにあるだけでは、子育てにいいとは言い切れないんじゃないですかね。

SHIHO:そうですか?

小野:はい。住居が田舎だというだけで子どもの才能や成績が伸びるなら、みんなが都会からいなくなっちゃいますよ(笑)。大切なのは、やっぱり、親とのコミュニケーション。親との関わりのなかで、いかに興味のあるものに没頭できて、生活そのものを楽しめるかというところに、「地頭の良さ」を伸ばす秘訣があると思います。

SHIHO:そうか、確かに。都会に住んでいても、自然体験は、休日にキャンプへ行ったり、親が工夫をすれば、させてあげることはできますもんね。

小野:その通りです。自然の中で暮らしていても、親が子育てに無関心だったら、子どもは伸びません。逆に、都会でも、家づくりとコミュニケーション、レジャーなど、親の工夫ひとつで、子どもの地頭はいくらでも伸ばせるんです。

SHIHO:大きな庭に広い家じゃないと、子どもはのびのびできないんじゃないかと思っていた私に光が見えてきました(笑)。

小野:家の広さ、狭さにこだわっているのって、実は大人だけ。子どもは、大好きな家族がいて、居心地が良ければ、その家が一番好きだし、そもそもそこしか知らないわけですから(笑)。子ども時代を楽しい記憶でいっぱいに彩ってあげられる家をつくってあげたらいいんですよ。

SHIHO:なんと、心強いお言葉!

小野:わが子を、「自分の意思でやりたいことを見つけ、没頭し、そのことを周囲に共感してもらえる子」に育てるための家は、田舎でなくても、広くなくても大丈夫。都会の限られた住環境であっても、コツさえ押さえればリノベーションで必ず実現できます

SHIHO:狭くても、大丈夫なんですね!

小野:マンションをリノベーションする場合、要はやはりリビングになります。「リビング学習」という言葉を聞いたことはありますか?

SHIHO:はい、いまは、子どもの勉強スペースは、リビングが主流になっていると言われていますよね。

小野:私たちが提案しているのも、リビング学習なんです。まずは、リビング学習のメリットについて、まとめてみました。

 

メリットいっぱい!リビング学習

『AERA with Kids』(2017年春号)の調査結果によると、小学生の親で「子どもがリビング・ダイニングで学習する」と答えた人が全体の約8割を占めました。また、関東の有名私立中学の受験を勝ち抜いた子どもたちのTVドキュメンタリーでも、多くの家庭がリビング学習を取り入れていました。

リビング学習のメリットは大きく4つ。

 

  1. 安心感と、適度な緊張感
  2. 集中力が高まる
  3. ゲームやマンガなどの誘惑に負けない
  4. 親とコミュニケーションが取りやすい

 

それぞれについて、くわしくみてみましょう。

 

①安心感と、適度な緊張感

特に低学年の子どもにありがちなのが、一人でいられない不安感。誰もいない部屋では、少しの物音にもおっかなびっくり……。恐怖を感じたら部屋を出て、リビングとの往復の繰り返し。これでは、なかなか勉強も進みません。

リビングで学習していれば、誰かに見守られているという安心感とともに、「勉強をしなければ」という適度な緊張感も生まれ、効率よく学習が進むと言われています。

 

②集中力が高まる

静かな子ども部屋で学習する習慣を身につけてしまうと、今度は別の環境では、少しの物音にも過敏になってしまい、集中ができなくなる、という場合があります。

リビングには、さまざまな生活の音が聞こえています。そこで学習していれば、多少の雑音も気にならなくなる精神力が身に付き、どんな場所でも集中力を発揮できると言われています。

 

③ゲームやマンガなどの誘惑に負けない

学習をするつもりで部屋に入って、ついマンガを手に取ってしまったが最後、夢中になってしまった。机の上だけを整理するつもりが、ついつい掃除に熱中してしまった……個室を持っていた大人なら誰でも経験があるのではありませんか?

子ども部屋には、子どもが大好きなゲームやマンガ、おもちゃなど、誘惑がたくさんあります。大人でもなかなか難しいのに、自制心が芽生えていない子どもならなおさら、誘惑に負けてしまうもの。

リビングには、生活に必要なさまざまなものがあります。

しかし、そこに、子どもにとっての宝物を置かないようにすれば大丈夫。大人の目もあることから、誘惑に負けることなく、学習に集中できるというわけです。

 

④親とコミュニケーションが取りやすい

わからないところがあったら、すぐアドバイスしてあげられる。なかなかやる気がでない場合、ハッパをかけてあげられるなど、リビングにいることで親とのコミュニケーションがとれることは、子どものモチベーションになります。

また、子どもは「共感してほしい」という欲求を持っています。難しい問題が解けたとき、その場ですぐに褒めてあげられるのも、リビング学習の大きなメリットです。

 

リビング学習にデメリットはある?

SHIHO:やっぱり、リビング学習、良さそうですね! 子ども部屋のスペースもなくて済むし、限られたスペースでリノベーションをしようと考えているわが家にはピッタリだと思いました!

小野:SHIHOさん、こんなにメリットが多いリビング学習ですが、最近は、デメリットも指摘されているのをご存知ですか?

SHIHO:えっ、そうなんですか?

小野:学問に王道なしとはよく言ったもので、リビング学習さえしておけばいい、というわけではないんですよ。たとえば、こんなデメリットがあると言われているんです。

リビング学習のデメリット

①モチベーションが見いだせなくなる

②リビングに子どもの荷物が散乱してしまう

③親との関係が悪くなる

④自分で考える力が養えない

①モチベーションが見いだせなくなる

低学年の頃は順調だったリビング学習。単元も難しくなってきた3年生の終わり頃から、急に成績が落ちてしまう……という子も少なくありません。その理由の多くは、「親が口出しをしすぎるから」。

「なんでそんな問題も解けないの?」

「そこはそうじゃないでしょう」

「こうしたらいいのに、頭が悪いんだから」

……イライラするあまり、ついこんな言葉を子どもにかけてしまうことがあります。こうした否定の言葉は、子どもの心を傷つけ、学習へのモチベーションを見いだせなくしてしまうのです。

「リビングは、お母さんに叱られる場所」。

そんな風になってしまえば、学習そのものが嫌いになってしまうでしょう。

 

②リビングに子どもの荷物が散乱してしまう

無計画にリビング学習を進めた結果、子どもの学習道具、遊び道具など、さまざまなものがリビング散乱。どう片付けたらいいか親も子もわからなくなり、リビングがいつも散らかっている状態に。

部屋が無秩序に散らかっていると、ものごとの整理がつきにくくなります。子どもの学習にも悪影響を及ぼし、成績は降下するばかり……。

今さら子ども部屋を増築するわけにもいかず、どうしたらいいの?という状況に。

 

③親との関係が悪くなる

良くも悪くも、リビングはオープンスペース。両親やきょうだいは自由に過ごしています。①の否定的な声かけはもちろん、気遣いなく大声で電話をしたり、夫婦喧嘩などの不協和音も悪影響です。

リビング自体が、親とのバッドコミュニケーションの場と化したら……。子ども成績云々の前に、家族関係が破綻しかねないのです。

 

④自分で考える力が養えない

わからないところがあったら、すぐ親に聞く。

これはもちろん、コミュニケーションの観点からはいいことですが、答えをすぐに教えてしまっていては、逆効果。親がいないと、勉強がわからない。結果、何も自分でできない子に育ってしまいます。

また、親に叱られないと勉強をはじめない、というのも要注意。親が過剰に時間と精神をコントロールしてしまうと、無気力な子になってしまいます。

 

SHIHO:うわ〜、これは、難しいですね。リビング学習、危うし!?

小野:極端に、リビング学習だったから受験に失敗した、なんていう人も出て来そうですよね。

SHIHO:ええと、低学年の間はリビングで、高学年になったら自室で……って、子ども部屋、結局必要ってことになってしまうのでは?

小野:そういう考え方もできますね。

SHIHO:ひえ〜!

小野:安心してください。こうした、リビング学習のメリット・デメリットを加味しつつ、効果的なリビングのつくりかたがありますから。

SHIHO:ホントですかー! そこを、ぜひ、教えてください!

小野:はい! <後編>で、詳しくお伝えしますね。

コラムニストプロフィール

SHIHO

SHIHO

愛知県出身、34歳。おいしいものとインテリアが大好き。5歳と3歳の息子を育てながら、ママライターとして活躍中。夫は36歳、都内の某メーカーに勤務。現在は神奈川県某市で3LDKの賃貸マンションに居住。上の子どもが小学生になる前に、どこかに(できれば都内に)家を買いたいと考え、絶賛リサーチ中!

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