Column コラム

家計が火の車に? 持ち家購入前の不安を解消する事前準備まとめ

お金のこと

家を買うのが、怖い!?

みなさんもこんな不安はお持ちではないでしょうか?

Kさんのお兄さんの事例はよく聞くお話です。

家を買う事に対して強い不安を抱くKさん夫婦

都内の警備会社に務めるKさん(32歳)は、パートをする奥様(36歳)と、5歳男児と3歳女児との4人暮らしです。
現在の住まいは、千葉県F市のUR賃貸マンション2LDK。家賃は約6万円です。

Kさんの年収は450万円。奥様のパート代年収は約100万円。

来年は息子さんが小学生に上がるタイミング。現在の賃貸物件が手狭であることからも、「そろそろマイホームを……」という話が少しずつ夫婦の会話に上るようになりました。

Kさん(32歳)年収…450万円
奥様(36歳)年収…100万円
子ども…5歳と3歳
家賃…6万円

しかし、Kさんは、なかなかその第一歩を踏み出せずにいました。その理由は、Kさんの兄にあったのです。

家計を破綻させたKさんの兄

10歳年の離れたKさんの兄は、都内の出版社に勤め、年収は1000万円を超えていました。
6500万円の都心のマンションを購入しましたが、会社の業績が振るわず、住宅ローンのボーナス払いも困難な状況に。
一人息子を私立へ進学させたいという希望もあったため、毎月の教育費もかなりかかっていました。困ったKさんの兄は、月々の住宅ローンの返済にも窮し、両親に援助を依頼したのです。
その後、マンションは売却することになりました。

「自分より年収がほぼ倍の兄ですら、住宅購入には苦労している。二人子どもがいる自分には、とてもマイホームなど手に入れることはできないのではないだろうか……?」

本当にKさんは、マイホームを購入することができないのでしょうか?

どうしたら不安なく家を買うことができる?

家を買うのは、人生においてとても大きな選択の一つですね。

「本当にこんなに高い買い物をしてもいいのだろうか?」
「この家で、絶対に後悔しないと言い切れる?」
「30年以上もローンを払い続けていくことが、本当にできるのかな?」
「この金額は、私たち家族にとって本当に妥当?」
「家を買って、老後は大丈夫?」

……などなど、一度考え出すと心の中で不安がどんどん大きくなってきます。とてもマイホームなんて買えない!と諦めた気持ちにもなりがちです。

Kさんの場合は、身近なお兄さんの失敗例を間近に見ているわけですから、その不安も人一倍でしょう。

しかし、多くの人が、マイホームを手に入れ、快適な生活をしているのも事実です。Kさんの世帯年収で家を購入するのは、いたって一般的。やりくり次第で、無理なく、楽しいファミリーライフを過ごせるはずです。

では、家を買うことに対する不安を払拭するには、どうしたらいいのでしょうか。

 事前準備は、ライフイベントの確認から

仕事や勉強をするときは、年間、月間のスケジュールを立てるもの。

住宅購入も、これと同じです。現在の状況から先の見通しまでを確認すれば、いつ、何をすべきなのかがわかり、目の前の漠然とした不安は解消されるはず。

まずは、現在の年齢から老後までの大きなスケジュールを俯瞰し、ライフイベントを知ることから始めてみましょう。

ライフイベントとは、人生における重大事。

結婚して、家族を得る人には、誰にも「4大ライフイベント」があります。

ライフイベント1:結婚

結婚式や新婚旅行、夫婦の新たな住まい・家電・家具などにまとまったお金が必要になります。

ライフイベント2:住宅購入

頭金の準備、長きに渡る住宅ローンの支払い。人生で一番大きな買い物と言われています。

ライフイベント3:子どもの教育

子どもができれば、保育園、幼稚園から大学まで、10年以上の負担が続きます。子ども一人の教育資金は、約600万円〜と言われています。

ライフイベント4:老後

長寿社会です。医学の進歩もあり、平均寿命は今後もっと伸びるとも言われています。60歳で定年を迎えたとしても、15年以上、長ければ40年近くもの老後の生活が待っています。

「家族のキャッシュフロー表」を作ろう

マイホーム購入を考える世代は、ライフイベント1は済んでいるわけですから、残りの3つのライフイベントを迎えることになります。

これらを踏まえて、「家族のキャッシュフロー表」を作ってみましょう。

「家族のキャッシュフロー表」とは、現在の年齢からスタートし、年収、家族のライフイベント、生活費、税金など、さまざまな収支を表にすることで、人生にかかるお金を一覧するものです。

まずは、家族構成(家族の年齢)・収入・ライフイベントを記入していきましょう。その後、税金、支出を記入します。ここから、無理なく返済できる住宅ローンの金額がわかってくるという仕組みです。

Kさんの家庭をモデルに、実際に入力したものを見てみましょう。

このようなキャッシュフロー表を作れば、自分の年齢と、子どもの進学年齢が一目でわかります。子育て世代が一番気にするべきなのは、やはり教育費がかかる時期。大学進学に大きな山場を迎える教育費の支出は、まずチェックしておかなければなりません。

Kさんの場合、比較的早く子どもをもうけているため、長男が大学に進学をする時にKさんは45歳。下の長女が大学進学時には47歳です。まだまだ働き盛りのうちに子どもたちが社会人になることから、少し安心したKさんは、子どもたちの結婚資金についてもライフイベントとして追加することにしました。

家を買うベストなタイミングとは?

人によって、家を買うタイミングはそれぞれです。

潤沢な資金のある人なら、いつでも気にせず住宅購入に踏み切ることができるでしょう。しかし、一般的なサラリーマン家庭においては、そのタイミングの見極めが非常に大切になります。

そもそも、マイホームを買うのは、誰のためなのか。キャッシュフロー表を見ると、その答えが浮かび上がってきます。

家族の年齢を眺めながら、皆で作る新しい住居について、イメージしてみましょう。個人のためではなく、家族のため。誰もが、家族と過ごす、大切な時間のためにマイホームを構えようと思うのではないでしょうか。

子どもたちと両親が、ひとつの家で過ごす時間は、意外と短いものです。

生まれてから、大学を卒業するまで。早い子では、高校や大学進学時に家を出ることもあるでしょう。

仮にお子さんが5歳のときにマイホームを購入した場合、その家で一緒に過ごせる時間は13年〜17年。

10歳で購入したとすれば、マイホームでの家族の時間は5年分減ることになります。

ローン完済時に自分は何歳なのか?

さらに、ローン完済時の自身の年齢もよく見ておきましょう。スタートを遅らせれば、その分年齢が上がることになります。老後資金の心配も、大きくなっていきます。

家は、大きな買い物です。それほどのお金をかけるのならば、いかに家族で使える時間を確保するかが重要です。

家族のためのマイホームを考えたとき、準備は早く始めるに越したことはありません。

もちろん、物件選びについては慎重に。あくまでも、急ぐべきは事前準備です。

Kさんがついに、家を買う

さて、32歳のKさんが、今年から住宅ローンを組むと想定します。

収入は、Kさんの年収450万円+奥様の年収100万円、それに子ども2人分の児童手当(3歳までが15000円、中学生までが1万円です)が年間30万円。この年は、合計580万円がKさん家族の収入です。

最初のライフイベントは、「住宅購入」。一時的な支出は、頭金の300万円です。450万円の貯蓄のうち、150万円は生活予備費として残すことにしました。

支出の詳細を見てみましょう。税金が、月々9万円ほどで、Kさんの手取額は約30万円です。奥様の手取り8万3000円を足して、毎月、38万3000円でやりくりをすることになります。

生活費は、月々16万円の予算です。

<Kさん家族の月々の生活費内訳>
Kさんのお小遣い 3万円
奥様のお小遣い  1万円
食費  5万円
光熱費 1万2000円
水道代 3000円
通信費 1万5000円
新聞代 4000円
NHK 1200円
医療費 5000円
日用雑貨代 1万円
被服費 1万円
レジャー費 1万円
<車両費 内訳>
車のローン代 1万5000円
ガソリン代   5000円
任意保険料  3万円(年間)
<教育費 内訳>
子どもAの幼稚園代 2万7000円
子どもAの習い事 9000円
子どもBのプレ幼稚園代 6300円
<保険料 内訳>
子どもA、Bの学資保険料 2万5000円
Kさんの生命保険料 8000円
Kさんの医療保険料 5000円
奥様の医療保険料 5000円

以上をざっと足すと、26万5300円。これが住居費と貯蓄以外のすべてです。
手取りの38万3000円から26万5300円を引くと、11万7700円。
ここから、住宅ローンに毎月いくら回せるかを考えるのです。
Kさんは、これまで住宅購入を見据えて貯蓄してきた3万円の定期預金を、購入後は住宅費として充てることにしました。
これまでの家賃6万円+住宅用定期3万円=9万円
この9万円のうち、7万円を住宅ローンに、2万円を管理費・修繕積立金に回すことに決めました。管理費・修繕積立金は、マンションにかかるものですが、一戸建てを買った場合も、この2万円は先々のメンテナンス費に充てる考えです。

スケジュール+家計のやりくりで、無理のない購入計画を

Kさんの兄が家計を破綻させた理由

Kさんの兄は、高い年収がありながら、なぜ家計を破綻させてしまったのでしょうか。

まず、年収に対して物件の価格が高かったのが大きな原因です。年収1000万円台の平均物件価格は5600万円程度。頭金は500万円でしたが、残りの6000万円は25年での完済を目標にローンの設定をしたため、ボーナス払いも20万円以上、月々の支払いは15万円を超えていました。マンションの管理費と修繕積立費は月々5万円です。

これに加えて、一人息子の私立中学受験に向けた塾代には、思いがけず高額な費用が必要でした。毎日の送迎にかかる交通費も負担になってきます。都心の物価の高さから、生活費もかさみがちに。高級車を所有し、交際費も多くかかります。貯蓄の習慣が身に付かないまま、家計はまさしく火の車に向かっていました。

年収が半分でも理想のマイホームを手にしたKさん

一方Kさんの年収は、兄の半分程度。

しかし、ライフイベントを見据えたキャッシュフロー表と、家計簿の見直しをすることで、マイホームの夢が形になってきました。やりくり上手の奥様も、これを機に奮起。貯蓄額をさらに増やすべく、ムダを省いて節約にいそしもうと張り切っています。Kさん自身も、月々のお小遣いを減らして、その分を貯蓄に回そうと考えています。マイホームで家族と過ごす時間が、何よりも楽しみだからです。

やりくり次第で、家は買える!

年収がいくら高くても、計画性のない購入プランでは、せっかくのマイホームを失うことになりかねません。

スケジュールをしっかり見据えて、地に足の着いた家計のやりくりができれば、マイホームはもう目の前。まずは、ライフイベントの確認と、家計の見直しから始めてみませんか。

コラムニストプロフィール

小野 雅司

小野 雅司

大阪府出身。海と山に囲まれた環境に憧れ、湘南に移住。休みの日は、家族と共に海や山へ散歩に出かけるのが一番の楽しみです。
学生時代は京都大学大学院にて建築デザインを専攻し、卒業後は不動産アセットマネジメント会社に入社。大型不動産投資案件のトランザクションに関わってきました。しかし、デザインの道を諦めきれず、リノベーション会社TAMAGO FACTORYを立ち上げ、空田との出会いからコソダテリノベの設立につながりました。 「リノベーション×教育」という今までにないコンセプトのもと、お客様であるパパ・ママ・お子様の未来を一緒に描いていきたいと思っております。

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