Column コラム

年収から考える「住宅ローン」と無理のないマイホーム購入。返済可能な金額を徹底検証!

お金のこと

年収550万円で子どもが2人。いくらの家が買えるの?

case1:マイホームを考えはじめたばかりのHさん夫婦

食品メーカーに勤務するHさん(36歳)は、専業主婦の奥様(35歳)と1歳になったばかりの娘さんの3人家族。現在は、都内で2DKの賃貸マンションに暮らしています。

二人目の子どもができる前に、マイホームを購入し、4人家族に備えたいと考え始めました。子どものためにと、できるだけ広い家が希望です。

「庭付きの一戸建てがいい」
「湾岸のタワーマンションは広いみたいよ」
「中古マンションをリノベーションするのもいいかも」など、

毎晩さまざまな選択肢について話し合うようになるなかで、奥様が言いました。

「そもそも、うちはいくらの家が買えるのかしら……?」

子どもを二人育てるための広い家を購入する、そのためには、いったいいくらかかるのか。住宅ローンの月額はいくらのなるのか。憧ればかり話し合っていた夫妻は、ふと立ち止まって考えました。

「よし、まずは、自分はいくらの家が買えるのか、調べるところから始めよう!」Hさんは言いました。

Hさんの年収は、550万円。貯蓄は400万円です。現在は、会社から3万円の補助を受けて、14万円の家賃を支払っています。

皆さんは、現在、いくらの物件が購入できるかご存知でしょうか?

ライフスタイルに合った場所で、自分の好みの暮らしがしたい。誰もが思い描く、夢のマイホーム。結婚やお子さんの誕生など、人生の節目に、「そろそろ考えてみようかな」と思う人は多いと思います。

マンションか一軒家か。新築か、中古か。それぞれが建つ場所、そして広さによって、住宅にかかる金額は異なります。家族構成、学校や勤務地との距離など、住まう人々の条件を擦り合わせて検討をしていく上で、一番大切なのが、やはり「お金の準備」。

皆さんは、現在、いくらの物件が購入できるかご存知でしょうか?

住宅を買える金額は、「頭金」+「住宅ローン借入額」で決まります。

まずは、頭金に回せる金額がどれくらいあるか確認してみましょう。頭金は物件価格の10~20%くらい準備しておくのが理想的と言われています。つまり家族4人、4LDKの物件を5,000万で購入しようとするなら、500万〜1,000万が必要ということですね。

生活予備費は残して頭金の準備を

ここで注意しておきたいのが、貯金をすべて頭金にまわさない、ということです。病気や車の買い換えなど、いざというときに必要になる生活予備費は必ず残すことが大切。これは、会社員であれば、生活費の3〜6ヶ月分が必要と言われています。

そして、頭金を差し引いた物件価格の大半は住宅ローンで支払っていくことになります。そのためいくら住宅ローンが借り入れられるのか、ということが重要になってきます。住宅ローンの借り入れ可能額(限度額)はお客様の職種や勤続年数、家族構成など様々な条件をもとに決定されるのですが、やはり一番大きな目安となるのは年収です。

住宅購入の平均金額は“年収の6倍”

実際に住宅ローンを利用している人々は、年収に対して、何倍くらいの物件を購入しているのでしょうか。

この資料では、フラット35の利用者が、年収に対して何倍の物件を購入しているかを示しています。

年収に対して何倍の物件を購入しているか。物件の種類やエリアによって、それぞれ違いがあります。新築は全体で(年収に対して)約6倍、中古は約5倍。土地付き注文住宅とマンションは、首都圏の倍率が特に高く、7倍程度となっていることがわかりますね。

一般的に家を購入する際は、多くの人が住宅ローンを利用することになります。その借入可能額は、年収に対してローンの返済割合(返済負担率)が25%以下に押さえておくと安心だとされています。つまり、年収600万円であれば、月々の返済額が12.5万円程度が上限となります。

仮に金利1.5%の35年固定ローン(ボーナス払いなし)の場合、約4000万円までは借り入れることができるということです。

とはいえ、借入可能金額いっぱいまで借り入れてしまうと、生活費が圧迫されてしまいます。ご自身のライフスタイルをちゃんと見直した上で借入金額は決定しましょう。

下記は、年収の25%以内を住宅ローンの年間返済金額に設定した年収別の目安表です。


実際は、物件の価格以外にも、購入手続きにかかる諸費用(初期費用)と、管理費や駐車場代など、購入後にかかる固定費もあります。一戸建ての場合も、修繕リフォーム費用は将来的に必要になります。さらに、毎年かかってくる固定資産税・都市計画税も忘れてはいけません。

住宅ローンの借入可能額は、現在の家賃を目安に

「なんだか計算が難しい・・・結局、月々いくらになるのかわからない」

そんな時は、現在の家賃を基準に、月々の返済額を考えてみましょう。家賃と返済額が同じなら、毎月無理なく返していくことができるはずです。マイホームのための貯金をしている場合は、その分を家賃に足して計算するといいでしょう。

このとき、注意したいのはマンションの場合。先に指摘したとおり、マンションには管理費や修繕積み立て費が必要になります。その分を家賃から差し引いた金額を、ローンの返済額に想定しておかなければなりません。

ライフスタイルに合った住宅ローンを選ぼう

現在、住宅ローンは「銀行ローン」「フラット35」「財形住宅融資」の3つが主流となっています。それぞれの特徴を見ていきましょう。

銀行ローン

主な金利タイプ:変動金利型 固定金利選択型 全期間固定金利型

民間ローンの代表、銀行ローン。金利のタイプも多く、各銀行がさまざまな商品を提供しています。一定期間ごとに金利が見直される「変動金利」は、金利は一般的に半年ごとに見直されますが、変動金利を含んだ返済額は5年ごとの見直しになります。

「全期間固定金利型」は、借入時の金利が返済終了まで続きます。

そして、近年主流になっているのは、「固定金利選択型」。これは、契約時点の金利が一定期間固定され、その期間が終了すると、その時点の金利で再び固定にするか、変動金利に戻すかを決めることができるもの。期間は1年〜20年、金利は金融機関が独自で定めています。固定期間が終了したときに、固定金利を続けるかどうかを申し出ないと、自動的に変動金利になるため、注意が必要です。

フラット35

金利タイプ:長期固定金利

「フラット35」は、ローン証券化の手法を使い、住宅金融支援機構と民間金融機関がコラボレーションするタイプの住宅ローン。公的融資と民間融資の中間的な性格を持っています。民間金融機関が融資する住宅ローン債権を、住宅金融支援機構が買い取り、それを住宅ローン担保証券という債権(証券化)にして、投資家に転売します。

最長35年の長期固定金利で、人気のある住宅ローンです。金利水準は1.81%〜2.76%程度で、ローンの返済とは別に、団体信用生命保険料の負担が発生します。取り扱いは、銀行のほか、保険会社、住宅ローン専門会社など多岐に渡ります。金融機関によって金利が異なるので、確認が必要です。

財形住宅融資

金利タイプ:5年固定金利型

会社などで財形貯蓄をしている人が利用します。住宅金融支援機構や地方自治体による財形住宅融資は、唯一の公的融資。金利は低めで、民間ローンやフラット35などと併用することもできます。5年固定の変動金利で、5年ごとに見直されて、返済額も変更されます。勤務先から利子補給や住宅手当を受けていることが条件で、財形貯蓄を一年以上継続、貯蓄残高が50万円以上ないと、利用することができません。

どの住宅ローンを選ぶかは、それぞれのライフスタイルによって異なります。固定金利を選ぶか、変動金利を選ぶかは、時流を読む目も必要になります。自身と家族のライフプランとも重ね合わせて、最適な住宅ローンを見つけたいですね。

大手サイト「価格.com」では、住宅ローンの金利比較をしています。

最新の住宅ローン金利から、人気ランキング、借入シミュレーションの計算まで、わかりやすくまとめられています。参考にしてみてはいかがでしょうか。

資金計画は、マイホーム作りへの第一歩

住宅購入に向けて、周りに相談をしたり、サイトを参考にしたりと、リサーチをはじめたcase1のHさん。少しずつ具体的な金額が見えてきました。

夫婦それぞれの実家の両親にも話をしたところ、Hさんの実家から200万円、奥様の実家から100万円の援助を受けられることに。貯蓄は半分を生活予備費として残すことにして、合計500万円の頭金を準備できました。今後かかってくる教育費なども考えて、月々の住宅ローンの返済額は、9万円に設定。これで、いくらの物件が購入できるかを考えることにしました。

Hさん
4人暮らし :本人・妻・長女10歳・次男4歳
世帯年収  :500万(本人400万・妻100万)
貯蓄    :200万
現在の家賃 :14万円(うち、3万円は会社からの補助あり)

*フラット35のローンシミュレーションで計算してみると……

毎月の返済額10万円
金利1.5%
返済期間35年
元利均等
借入可能額概算:2939万円

そしてHさんは、上限3500万円の物件に照準を定めることにしました。

Hさんの年収は550万円。6倍すると3300万円ですから、平均よりも少し高めに設定をしたことになります。

この後、Hさん夫婦は、家のタイプ、エリアなどについて、詳細な検討を始めることになります。物件の価格の目安が出たことで、より具体的に考えられるようになり、少し安心をしたHさんでした。

このように、資金計画は、マイホーム作りへの第一歩です。頭金として使える金額、月々住宅ローンに回すことの金額を確認することで、目指すべき家の価格が見えてきます。

「マイホームは欲しいけれど、本当に家を買って、今後の生活は大丈夫かしら……?」

そんな不安を感じている方は、ぜひ家計の見直しと、住宅ローンのシミュレーションをしてみましょう。無理のない計画で、楽しいマイホーム探しを始めたいですね。

コラムニストプロフィール

小野 雅司

小野 雅司

大阪府出身。海と山に囲まれた環境に憧れ、湘南に移住。休みの日は、家族と共に海や山へ散歩に出かけるのが一番の楽しみです。
学生時代は京都大学大学院にて建築デザインを専攻し、卒業後は不動産アセットマネジメント会社に入社。大型不動産投資案件のトランザクションに関わってきました。しかし、デザインの道を諦めきれず、リノベーション会社TAMAGO FACTORYを立ち上げ、空田との出会いからコソダテリノベの設立につながりました。 「リノベーション×教育」という今までにないコンセプトのもと、お客様であるパパ・ママ・お子様の未来を一緒に描いていきたいと思っております。

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